前回の続きです。

まだの方はまずコチラをお読みください。

 11/14 病院に連れて行きました



・・・


大病院で検査し、「障害がない」と言われたなぁ太。


じゃあなぜ?

なぜ出来ないことが多いんだろう。

なぜ禿げていくんだろう。

障害じゃないなら、治らないこの子の円形脱毛症と…受けたかった療育と…。

それが出来ないなら、この後私はどうしたらいいんだろう…。


すると、そんな私の戸惑いに…。
先生はにっこりとほほ笑んで、ゆっくり話してくれました。


「お母さん、あのね。
 モノは言いようなんだ。
 障害のない子もある子もね、言い方一つなの。


 集中して考えることが出来るっていうのと、
 一つのことに執着しすぎるってこと


 多能性があるっていうのと
 ちっとも落ち着きがないってこと


 要は同じ意味でね。
 言い方一つによって、良い言葉にも悪い言葉にもなるんだよ。

 そして、多能性を持つ子に集中することを求めても難しいように、その子特有の個性というものがあるんだ。

 あれもこれも…と望んでも無理な話でね。

 その子の個性を認めて伸ばしていけばいいんだよ。」


そしてなぁ太を一目見て、また続けました。


「この子は、物事のとっかかりが苦手な子で、何をする時も初めはモジモジしちゃうんだね。

 だけど時間が経てばスムーズにいけるし、じっくり考える力を持っている。

 人よりストレスを感じやすいから、子供の世界では普通よりちょっと多くストレスを感じているだけでね。


 それとね。

 なぁ太くんみたいな子は、「ダメ」とか「頑張れ」とか言っちゃあいけない。
 こういう子は、そうは見えなくても一生懸命頑張ってるからね。
 褒めて育てないといけないタイプでね。
 よく出来たねーって褒めてあげれば、こういう子はどんどん伸びるよ。
 やりたいって言ったことはどんどんさせてあげるといいんだよ。」


これを聞いて、トマコはぶわーって泣いてしまって。

すごい焦って

「ごごごごごめんなさいっ…」

とか謝って抑えようとしても、ちっとも涙がひかなくて。


そんな私の様子を見て、先生はまたにっこりほほ笑んで。


「なぁ太くんの円形脱毛症より、お母さんが大変だったんだねえ。」

と優しく言って。


「あなたの場合はね。
 なぁ太くんがいじめられたりしたら
 自分の子にも何か悪いところがあったんじゃないかって考えたり

 自分を責めたりするかもしれないねえ。
 
 けどね、うちの子に何するんだ!て怒っていいんだよ。
 あなたの場合は、特にね。」


ああ、そうか。

そうか。
私は、もっとワガママでいてよかったんだ。
もっと自分の子中心的な考えを持ってもよかったんだ。
それを持ちすぎるといけないけど。
持たなさすぎるのもいけないことだったんだ。

私は、なぁ太の一番の味方に…。

なってるつもりで、なってなかったんだ…。


先生にお礼をいっぱい言って、病院を後にしたのだけれど。
なぜか涙がちっとも止まらなくて。


「ごめんね、ママあと少ししたらいっぱい笑うからさ。
 今の内に涙いっぱい出しといてもいいかな。」


と車の中で言ったら、なぁ太


「ママ、息してごらん。
 すーはーって。
 したら涙止まるんだよ?
 いい?

 せーの、

 すー。

 はー。
 ほらね?

 止まったでしょ?」


なんてやって、かわいいやらおかしいやらで気づいたら涙が止まってて。


そのあと合流したママ友達に
「なんか違ったみたいー」
って言ったら
「だから言ったでしょう~?」
と笑って迎えてくれて。


幼稚園の先生も、言葉の教室の先生も。
みんなみんなにこやかで。
いっぱい悩んで苦しんだ分、勇気を出して行った病院で、
「自分の子に合った接し方」
を教えてもらえて。
気持ちはすごく晴れやかで。
行ってよかったなあ…と思ったのでした。



ここからは後日談。
ふと思い出したこと。

幼少期のトマコは…というか、今でもそうなんだけれど。

「楽しい」と思った時は傍から見てもよくわかるくらい「楽しい!」オーラを出し、はしゃぎすぎちゃうところがある。

実母はそれをいつも「みっともない!」って言ってたっけ。

すごく楽しいのに軽蔑した目で睨まれてばかりで、悲しくなったことがあったっけ。


「お母さんは世間の目ばっか気にしてる。
 なんで「私」を見てくれないんだろう。
 私はこういう人間なのに。

 なんで認めてくれないんだろう。」


そう思ってた子供時代。
その反動か


「自分はだれにどう思われようと、どうでもいい!
 世間の目を気にしすぎて自分らしくいられないなら、何を言われても気にしない!!」


なんて思って荒れたこともあった。

それが…。
今のトマコは、かつての実母と同じだったと気づき、愕然とした。


ヒトに迷惑をかけてはいけない!!


その言葉に捕らわれすぎて。

「なぁ太」を見てなかったんだなぁ…。


むしろ見ていたのはなぁ太の「出来ない」部分だけで。

「出来る」ところを見てなかったんだ。

幼稚園の先生はいつも言ってたっけ。

「みんなで一斉に何かしようとした時に気後れしちゃうことはあるけれど

 出来る!って言ったことはすごく積極的に参加できますし

 出来ない時も、なぜ出来ないか目を見て理由をちゃんと言えますから。

 全然大丈夫ですよ」

って。


子供同士の関わり方だって。

戦いごっこは好きだけど、男の子同士の激しい戦いは苦手で(痛い目に合うのが苦手w)

むしろそれ以外なら男の子とも上手に遊べて、どちらかと言えば女の子と遊ぶ方が好きみたいだけど。

時々ケンカもするけれど仲直りも出来て、ケンカの仲裁もするし、お友達も誘えるし。

何よりお友達と遊ぶことが本当に大好きで。

そういったなぁ太の「出来るコト」を挙げていって

「な~んの心配もないでしょ?」

ってママ友達が笑ってて。

「子供同士のことも、子供たちで解決させればいいんだよ。」

なんて言ってて。

それでもトマコがつい口を出しそうになったら、

「見ない見ない。

 見ないのが一番だよw

 うちもお互い様だしw」

なんて、小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんを持つママ友達にはいつも支えてもらって。

かと思えば、お互い第一子のママ友達とは

「わかる~!一人目って不安だらけだよね~!

 つい口出しすぎちゃうしダメなとこばっかり見ちゃう!

 反省だよね~…」

と共感しあったりして。


「本心じゃなくてお世辞で言ってるんだ…」

と壁を作っていたあの頃とは全く逆に。

周りの人たちの言葉が、スポンジに水が染みるようにすんなり入ってくるようになった。




病院に行ったことは、結果としてすごく良かった。
ずーっと不安だった自分はもういなくなったし。

新しい目で、子供の良いところを見れるようになった。

そうは言っても、いつかまた同じことで悩むかもしれないけど。
でも、まだ4歳だから。
この子はこういう子だから。

出来ることもいっぱいあるから。

もう、「この子の出来ないコトで周りに迷惑をかけたらどうしよう」なんて考えずに。

あれもこれもと望むんじゃなくて。

のんびり育てよう。
のんびり歩こう。
一緒に。
私も。
歩幅を合わせて。


春からずっと消えなかった不安な気持ち。

色んな人に支えられて。

今はすごくラクになりました。



最後に。

昨日の記事を読んで、メッセージを下さった方。

ありがとうございました。

また、「○○という障害に当てはまるかと思います」というご意見も頂きました。

今後何かありましたら、参考にさせて頂きます。

ただ、今は。

なぁ太のよい部分を見て、そこを伸ばしていきたいと思っています。

そのことで色んな意見があるかもしれませんが。

今は自分の心のままに、子供を認めていこうと思います。


長い文章、読んでくださりありがとうございました。



【11/15 23:20追記】

たくさんのご意見ありがとうございました。

同意のご意見も、叱咤のご意見も、すごく励みになりました。

色んな意見があって当然ですし、むしろ頂いたコメントこそを読んでほしいとも思います。

それくらい、大切なお話ばかりでした。


私は頭をぶつけてばかりな母親生活ですし、これからもガンガン打つでしょうけれど。

こうして悩んだ分、苦しんだ分、また少し強くなったと思いますから。

これからも色々あるでしょうが、それも勉強。

一度苦しんだことはいつかは宝物になります。

コン吉の時は同じことで悩まないんじゃないかな?とも思いますし。

今は子供の良いところを見て、伸ばしていけるように。

これからも試行錯誤を繰り返しながら、共に成長していけたらと思っています。

たくさんのコメント、メッセージ、メール、本当にありがとうございました。

また、かつて荒らしが発生したことから、携帯電話の方の書き込みは禁止させて頂いています。

ご了承ください。


【11/17 8:50追記】

削除依頼のありましたコメントを削除、それに伴うコメントも削除させて頂きました。

ご了承ください。

なぁ太の幼稚園シリーズ 次へ



真剣に考えるシリーズを

●初めから読む

●前の話を読む

●次の話を読む

いつも応援ありがとう】

  にほんブログ村 イラストブログ 絵日記へ 

【更新連絡を受け取る】