来ました来ました。


いらっしゃいませ か ん しゃ く!


元々言葉が少ないコン吉くん。

4歳、もうすぐ5歳。

ここにきて急に、コトバ足らずで泣いて怒る。

床に転がって、手足をバタつかせて。

小さい子みたいにギャアギャア泣く。


癇癪。


なぁ太の4歳の時もそんなことあったなー。

 → 2009/6/16癇癪(カンシャク)の原因

2歳とかならまだしもどうしてこの年齢で!?なぁんて。

随分悩んだっけなー。


でもほら、二回目ですから。

なんというか、余裕があるんでしょうな。


コン吉がギャーと泣いたら、敢えて放置。

幸い、コン吉の癇癪は家限定で起こっていたので。

家の中での癇癪ならだれにも迷惑かけないでしょ、ってので放置。

んで、ちょっと時間が経ったら声をかけた。


「コン吉!!

 コーンーきーち!!」


「お母さんの目を見て」


まあでも今まさに癇癪、のコン吉くんですから。

「話を聞く」なんて難しい話で。

まだ興奮状態継続中だな、と思ったら


「今お母さんのお話聞けないみたいから、またあとでね。

 聞けるようになったらお話するからね。」


と言って再度放置。

ちょっと経ってからもう一度声かけ。


んでまた言う。

「お母さんの目を見て」


今度は泣きつつも聞く姿勢が出来ていたので、お話した。

なるべく手短に。


ト 「コン吉さ、ギャーギャー泣いたらだれか言うコト聞いてくれた?」


コ 「ううん」


ト 「なんでか分かる?」


コ 「わ、わ、分からん~~~」


ト 「だって、コン吉は泣いてギャーしか言わないから、どうして欲しいか分からんのよ。

   ヒトは、コトバで言わないと分からんの。

   コン吉がどうしてほしいか、ちゃんとコトバで言おう。

   そうしたらみんな分かるから。」


まあでも、言葉が遅いコン吉には難しい話ですわ。

気持ちを言葉で表すなんて。

なかなか簡単に出来ることじゃあない。

だから、癇癪を起すたびに


名前を呼ぶ → 目を見て → コトバで言おうね


ってのを繰り返してたんだけど。


ある日、コン吉がオモチャの禁止していた使い方をしたので、そのオモチャを取り上げたのだけれど。

まあ、癇癪。

いつもの、癇癪。

転がりながら泣く。


「返してえええええギャアアアア!!!!」

ってな感じで泣く。

興奮状態最高潮!!ってなもんです、ええ。


ちょうど夕方だったので、トマコは料理をしつつ。

その後ろでコン吉が癇癪を起しつつ。

在宅していたマサオが、フォローに来ようとしたけどそれを制止して。

コン吉は延々泣き叫び転がり続け。

部屋は異様な空気に包まれる。


家の周りが田んぼだからよかったーとか。

この泣き声聞いた人は虐待とか思うかもーとか。

一段と激しいコン吉の癇癪を後ろに感じつつ。

さあ、いつ声かけしようかなーと思いながら。

いつもより長く放置して料理を続けていた、その時だった。


さっきまで転がって泣いていたコン吉が、母の後ろ立っていて。

母に話しかけてきた。


「おっ、おっ、おたーしゃん…

 コン君、ギャーって言わんからっ…

 ちゃ、ちゃ、ちゃんとお話…ヒッ…するから…

 きいて…」


思わず料理の手を止めた。

癇癪を起したコン吉が、こんな風に自分から行動してくることがなかったので。

ちょっと驚いた。


腰を落として、コン吉の目線に立つ。


「なあに?」


「コ、コ、コン君がいけんかった…

 ご、ご、ごめんなしゃい…

 ちゃんと…遊ぶから… ヒッ 

 かーしーて」


もう、ほんとびっくりして。

思わずコン吉を抱き締めて


「うん、いいよ。

 ちゃんと言えたね、偉いよ。

 コン吉がコトバで言ってくれたから、お母さんはコン吉の気持ちがよく分かったよ。」


したらコン吉ってばもうニッコニコ。

あんなに興奮していたのに、自分で抑えて気持ちを言葉にする。

今まで出来なかったそれを、一生懸命頑張ってるコン吉に。

嬉しかったり感動したりしつつ。

ちょっとやりすぎたかなとも思いつつ。

でも、それはまさにコン吉が自分でひとつの山を越えた瞬間だった。


だからと言って、癇癪はすぐには治らなくて。

その後も何度か転がるコン吉を見ることがあったけれど。

でもやはり、あの時が大きな転機だったようで。

目に見えるほどハッキリと、コン吉の癇癪が減っていき。

それと共に、コン吉自身の気持ちの切り替えも早くなり。

言葉が遅いながらも、いろんな出来ごとをコトバを使って話してくるようにもなり。

伝えよう、という気持ちをコン吉からすごく感じるようになった今。

あれは、幼児から少年期への変貌を遂げた、まさにその瞬間だったのだなと思った。


なんていうか、あれだな。


思い返せば、2歳のイヤイヤとか。

4歳の癇癪とか。

5歳の反抗期とか。

そういう山にぶち当たったあとの子どもの成長ったら半端ない。

だとしたら、癇癪とか反抗期は成長の節目なのかな、とか思ったり。

じゃあそれって、大変だけどおめでたいことだな、とか思ったり。

「イヤイヤ期おめでとう!」

「癇癪おめでとう!」

みたいに思えたら、またそこで母親の大変さも変わるのかも…とボーと考えたりもしたのでした。

いや、大変は大変だけどね…。

次はたい蔵のイヤイヤ期かーなんて思ったりしてね…ハハハ…。


それでも、今回は二回目だけあって、なぁ太の時よりは全然余裕な自分がいて。

こういう風に、下の子は落ちついた目で見れるのだな、とか。

じゃあなぁ太の思春期はまた私自身とんでもなくうろたえるのだろうな、とか。

そんでコン吉とたい蔵の思春期はどーんといけるんだろうな、とか。

色々考えつつ。

コン吉の言葉が遅いところはやっぱり気になるけれど。

でも。

やっぱり言葉が遅かったなぁ太の、今のペラ男具合を思えば。

まあ今だけの話でもあるんだろうなーと思いつつ、言葉の教室は継続中だったりして。


とりあえずそんなこんなの春休みだったのでありました。


癇癪おめでとう、コン吉!

ちょっとだけ大人になりました❤



最後にちょっとだけ。

普段のトマコはこんな冷静に子どもの相手が出来ません。

超感情的にワーッ!って怒ってしまってハアア…と落ち込んだり、そんなのしょっちゅうです。

今回はコン吉が癇癪状態だったので、いつものようにワー!って怒ったら火に油を注ぐってな感じで悪化の一途。

それで逆に冷静になったという感じでした。

ので。

普段はほんと、頭ごなしのガミガミ母さんなので…汗

いつもこんな感じで冷静な対応は出来ませんのであしからず…汗

優しいお母さんにナリタイヨー。


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