すごい風でしたね!!
朝はそんなことなかったのに、気づいたら強風ですよ。
家にいても唸る風音でうるさいくらいですよ。

そんな中、姿を消した子どもの給食エプロン。

ないよー!!
小学校の給食エプロンが飛んでっちゃったよー!!
みんなで使うものだよー!!
絶対なくしちゃダメなやつだよー!!

焦った。
ええ、とても焦りましたとも。

家の周りをウロウロと、子供三人と共にひたすら捜索。
延々と捜索。
遠くに白いものが見えたら母は叫ぶ。
「行け!ピカチュウ!」
走る子供、見守るトマコ。

遠くから「お母さんゴミだった!」と言う子供に、別方向を指さしてまた叫ぶ。
「行け!ピカチュウ!」
だけどどれだけ探してもエプロンは見つからない。

友は言った。
「外に干したのを激しく後悔しながら走れ!」と。
 →走ったよ!子供がね!

友は言った。
「家に張り紙しとけばいいよ!
 給食エプロンを拾った方はこちらまでって」
と。
 →どんだけ大きな字で書けばいいかな!

そんな友の言葉になぜか安堵を覚え、トマコはふっと息を吐いて空を仰いだ。
激しい風になびいた髪が、頬を叩く。
風はすべてを吹き飛ばし、空は澄み切った青だった。

ー この青を絵で表現するには、絵具一色だけじゃ無理だ ー

そんなことを考えて、ふと思った。

そうだ、エプロンは旅に出たんだ。
彼は彼の人生を歩み始めたんだ。


元々薄い生地のエプロンだった。
みんなが使ってきて、くたくたになったやつだった。
毎日だれかに着られ、いろんな家庭で洗濯され、糊付けされたりされなかったり家庭によっての扱いはそれぞれ違って。
そんな人生に彼は疑問を感じたのかもしれない。
ー もっと自分にできることがあるんじゃないか ー
そんなことを思ったのかもしれない。
だから、エプロンとしての自分探しに、自らの意志で飛んで行ったのかもしれない。

だったら、そんな彼を探すのは私のエゴじゃないだろうか。
彼の旅立ちを、人生の門出を、祝福し、背中を押してあげるべきじゃないのか。

そうだ、さよならしよう。
エプロンはもう、新しい道を歩み始めたんだ。
悲しくないよ。
これはうれしいサヨナラだから。
だから目いっぱいの笑顔で言うよ。
ありがとう、さようならエプロン!!


いや、サヨナラしたらあかんやろ 
友の言葉に、現実に引き戻され。

よし、似たの縫おう?
友の言葉に、うな垂れ。
 ※トマコは縫物が壊滅的に苦手

いやもーほんとどーすっかなー
弁償するしかないにしてもどーしたらいいのかなー
とりま土下座の勢いで謝るしかないなー
とかいろいろ考えてたら、隣の家の義母が

「トマちゃんこれうちに飛んできてたけどー」
と、消えた小学校エプロンをキレイにアイロンして持ってきてくれました。

ありがとうお義母さん!!
そっちにあるの、もっと早く教えてほしかったなお義母さん!!
今後子供が給食エプロン持って帰ったら、そうっと庭先に置いておけばアイロンしてくれますかお義母さん!!


とりあえず、強風の日の昼寝は危険、ということを身をもって感じたのでした。

今日の教訓。
寝るなら干すな。
干すなら寝るな。

頑張れ九州!

23トマコの妄想シリーズ
 ●初めから読む
 ●前の記事を読む
 ●次の記事を読む


いつも応援ありがとう】

  にほんブログ村 イラストブログ 絵日記へ 

【更新連絡を受け取る】