2009年10月
お顔付け。


なぁ太がスイミングに通っていたことを覚えているだろうか。
そして、そのスイミングスクールで一年過ぎても全く馴染まなかったことを覚えているだろうか。
実は、今年の四月。
なぁ太は一年ちょっと続けたスイミングスクールを辞めました。
幼稚園に入って、円形脱毛症が加速して、とてもじゃないけれど習い事どころではなくなって。
幼稚園には喜んで通っていたけれど、お友達も出来なくて、自信もなくなって、どんどんハゲていって。
そんな中、幼稚園から帰宅後スイミングスクールに連れて行くと、なぁ太は一年前以上に泣いて叫んで嫌がるようになってしまって。
散々悩んだ末に、辞めてしまったスイミングスクール。
こんな状態で辞めてしまったけどよかったのかな…とずっと心に引っかかっていた。
夏休み明け。
幼稚園のママ友達からお誘いがあった。
それは他のスイミングスクール。
ちょうど欠員が出たから一緒にやってみない?と。
またスイミング?
なぁ太はもう無理じゃないかな…。と思ったけれど。
体験もできるというし、なぁ太自身も「行ってみる」というので軽い気持ちで行ったのだけれど。
それが…。
すごく楽しそうだった。
前のスイミングスクールでは見せたことがない笑顔。
帰ってからもなぁ太は興奮が冷めなくて。
「ママ!なぁくんスイミングしたい!」
と自分から習い事をする意欲を母に伝えた。
とてもじゃないけれど、数か月前のなぁ太と同一人物とは思えなかった。
以前のスクールでのなぁ太と全く別人だった。
前のスイミングスクールでは、ずっとうつむいてた。
下ばかり見てた。
練習にもあまり参加しなかった。
練習が始まって20分もすれば、笑顔になってたけど。
始まりの20分は全くダメで…。
あれ?
始まりの20分のあの時のなぁ太と、夏休み前の幼稚園でのなぁ太。
同じに見える…?
なんで?
なんでだろ
あれ?そういえば?
一年前。
なんで私、なぁ太をスイミングに連れてったんだっけ?
そうだ。
幼稚園が始まる一年前。
母親と離す訓練をしようと思って。
集団生活を始める練習をしようと思って。
それで始めたんだった。
今ならね、分かる。
なぁ太みたいな敏感な子は。
母親と離す訓練をするよりも、土台を作ってやらなくちゃいけなかったんだって。
幼稚園に入るための、土台。
幼稚園に入る前の子供たちが集まった児童会に入って、お友達作りをして。
少しでも彼が馴染みやすい環境を作っておかなくちゃいけなかったんだって。
それは私自身の反省点。
子供が生まれてから少しして、たくさん出来たママ友達。
すごくいい友達に出会えた反面、イヤな出来事もあって。
それ以降、積極的に友達を作ることを辞めてしまった。
それもあって、幼稚園でも他のママと話すのが苦手で。
一人でもいいやって思ってた。
子供は子供で自分の世界を自分で切り開くだろうとも思ってた。
けれど、なかなか友達が出来ないなぁ太はずっと一人ぼっちで。
周りが既に友達の輪が出来てしまっている分、元々人から誘われて遊びに行く引っ込み思案系のなぁ太はますます孤立してしまって。
これじゃダメなんじゃないの?って思い始めた。
それ以上に、ますますハゲてくなぁ太を見ていた生活。
自分のせいだという罪悪感と後悔。
幼稚園の行き帰り、涙が止まらなかったあの頃。
どうすればいいのか分からなくて。
どうしたら彼が少しでも過ごしやすくなるのか分からなくて。
すごく不安だったっけ。
そんな時、幼稚園の参観日の後、親だけでグループに別れてのお悩み相談会があって。
普通に、普通に、頑張って普通にその悩みを口にしたのだけれど、涙が止まらなくなってしまって。
けれど、そんな私に他のママさんたちは、すごく親身にアドバイスをくれて。
心の鎧を解いて話してみると、幼稚園のママさんたちは、本当に本当にいい人たちで。
悩みを聞いてくれて、アドバイスをしてくれて。
励ましてくれて、なぁ太にも話しかけてくれて。
それが、いつしかバカも言って笑って話せる友達になって。
私の友達が増えると自然と子供同士も仲良くなって、なぁ太の世界もどんどん広がって。
夏休み明け。
友達もたくさんできて、自分の力で何かが出来るのだという自信もついたなぁ太に。
やっと「土台」が出来た気がしました。
「土台」が出来て、新しいスイミングスクールですごくやる気が出たなぁ太は。
シャワーが顔にかかっただけで怖がるほどの水嫌いだったのに。
三回スクールに通っただけで「顔付け」をマスターしました。
それだけでなく、なぁ太自身の口から
「なぁくんはピアノが習ってみたいんだけど」
と、習い事に対する意欲までも出てきました。
今じゃ、遊びに誘われるのを待つだけではなく、自分から誘うこともできるようにもなって。
本当に、夏休み前とは全く違う子みたい。
今のなぁ太はすごくキラキラしていて。
一日一日すごいスピードで成長しているのが見てわかるほど。
そんななぁ太を見て
「前のスイミングスクールが合わなかったのかな?」
と漏らしたトマコに。
「始める時期の問題じゃない?
今のなぁ太くんだから出来るんだよ、きっと。」
と言ったママ友。
この言葉で、私は初めて今回の土台作りについてシミジミと考えたんだっけ。
自分の反省点もたくさん見えた。
いろんな視点でモノを見るって大事なんだなぁ。
今度、音楽教室の体験に行ってきます。
ちょっぴりお高めだけど。
そこは節約生活でなんとかっ…!
なぁ太に合うといいなぁ。
けれど、今後はアレです。
「一度始めたものを簡単に辞めないというお約束」
なかなか線引きが難しそうだけれど。
問題はどんどん複雑化していくのだろうけれど。
がっ、がんばるぞーっ!
今、私自身も幼稚園の送り迎えがすごく楽しい毎日です。
なぁ太の幼稚園シリーズ 次へ
真剣に考えるシリーズを
【いつも応援ありがとう】
























