●初めから読む




マサオさんていつもは穏やかなんですよ
それがこの日は虫の居所が悪かったのか、珍しくピリピリしていて
小さなことを叱っていたら思わず大噴火してトマコびっくりだったのだけれど
でもマサオの不安も分かるんですよね
なぁ太が入った高校は普通とは全然違ってとても緩くて
→通信サポート校に進学した経緯
→通信サポート校の実態
この環境で3年間過ごしたなぁ太にどんな進路があるのだろうとか
特性があるこの子は将来仕事に就けるのだろうかとか
→なぁ太の特性
そういうのはもう、考えてもキリがないほどたくさんある
でも、なぁ太が小学生のころ
どこにも居場所がなくて閉じこもっていた彼をただ励ますことしかできなかった毎日を思えば
→不登校とウツの時代
今では毎日学校に通えていて、バイトもしていて
自分で稼いだお金でいろんなところに行って体験して
親にお土産まで買ってきてくれる
世界が広がり私生活が充実したなぁ太は心穏やかにもなり
あんなに兄弟仲が悪かったのに今はそんなこともなく
→かつてはコン吉だけが我慢していた
家族みんな穏やかに笑って過ごしている
なぁ太の家での役割も今ではもう確立していて
誰よりも家のことをこなしているなぁ太を不満に思うこともない
→家での役割
もうね、いいんじゃないかなって
これでいいんじゃないかなって
足りないものを数えたらキリがないけれど
私が望んでいたのは家族が仲良く穏やかに過ごすことだけで
それはもう、叶っているじゃないか
他人と比べてどうであれ、私は今こんなにも幸せじゃないかって
彼の人生のこの先に、なにがあるかは分からない
でもその不安は彼のもので、私のものではない
だからそれを彼にぶつけることだけは、しちゃいけない
ていうのも、かつて小さかったなぁ太にぶつけたことがあるからこそ
余計に思うことなんですけどね
→ドロロな話(全2話)
マサオとそんな話をしつつ
気づけば家族仲はまた穏やかに戻っていて
トマコはリンゴに追われてケーキを焼き
なぁ太はバイトを頑張っているのでした
なぁ太のお弁当屋さん(全5話) 続く
●初めから読む
【いつも応援ありがとう】
【発売中の書籍】
発売中の書籍をご覧になりたい方はコチラをクリック