子供がやっと手がかからなくなった頃に赤子を生むこと数回。
わたくし床に這いつくばってばかりですわ奥様。
ええ、確かに望みました。
なぁ太もコン吉もたい蔵も、望んで生んだかわいいわが子です。
でも…!!
それとこれとは話が別だと思いますの!!
床に這い続けて早7年。
いい加減このお仕事に嫌気がさして参りました。
というか、飽き飽きだコノヤロウ!!
ええ、だって子供たちが気を付ければ良い話でしょう?
お行儀良くお食事したらここまでの惨劇は起こらない、そうでしょう?
だけど親玉たい蔵を筆頭に、まだまだ油断ならないコン吉も。
時々活躍してくださるなぁ太もね?
わたくしはいつまでこのお仕事を続ければいいのでしょう…と。
途方に暮れたその時でした。
発想の転換ですわよ、奥様。
そう、「つらい」と思うから「つらい」のです。
でも、シンデレラだったら?
穢れなき心を持った絶世の美女、シンデレラ。
もしわたくしが、皆に認められなくても心清らかに一人頑張る乙女シンデレラだったとしたら。
いつか…。
そう、いつの日か…!
ガラスのパンプスを持った王子様(マサオだけど)が、迎えに来てくれるのです…!
そういう妄想をしながらならば床掃除もはかどるったらありませんわよ奥様ー!
厳しいお仕事になればなるほど健気な自分に酔いしれられますわよ奥様ー!
ただ…。
落ちてるものは親でも踏みつける。
たい蔵の鬼畜っぷりはきっと…。
シンデレラのお母様よりも上だと思うのです…。
シンデレラ、負けない…!
〇たい蔵の赤子シリーズ
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生まれつきタマが迷子になる病気

あのたい蔵が晴れて小学生になりました
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